オルタナティブとは「別の」とか「代わりの」とかいう意味です。
すでにご存知の方も多いと思いますが、トランプ大統領の就任式の人出についてその報道官が「出席者もニュースやインターネットで見た人も過去最高だった。」と述べたことについて、記者が「どうしてそんな見え透いたウソをつくのだ。」と聞いたところトランプ大統領の顧問が「ウソではない。オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)だ。」と答えたのだそうです。
写真や映像で見る限りどう見てもオバマ大統領の就任式の方が人出が多く、それに比べるとトランプ大統領のそれはまばらに見えます。しかし、その写真や映像はメディア等によって意図的に作りかえられたものだという可能性もゼロではありません。まして、実際には参加していなくても心で参加した人を含めるとすればもはや検証のしようがありません。
古代ギリシャにタレスという人がいましたが、この人はこの世界にある物質はすべて水でできていると主張しました。では岩石や金属のように明らかに水とは性質の異なるものはどうか。これは、そのように見え、そのように感じられるだけで実体は水なのだという説です。
カメラについての知識がなく、カメラを見たことがない人に写真を見せたとして、写真の向こうに写真(あるいは絵だと思うかもしれません)をとったか描いたかした何ものかがあることは推測できるでしょうがそれがカメラであることは実際に見るか誰かに聞く以外に知る方法はありません。
だからヴィットゲンシュタイン(哲学者。論理学者。1889~1951)は「語り得ぬものについては沈黙せねばならない」と言ったのでしょう。検証できないものについて語ることは少なくとも論理的ではありません。
何にしてもトランプ大統領の主張は目新しいものではありませんが面白いです。自分もしくは国際社会に害が及ばない範囲においてですが…。
さてそんな辛気くさい話は置いておいて、今幼稚園は劇発表会に向けて着々と練習が進んでいます。
お客さんの見る態度も大切です。