「産め」「働け」「活躍しろ」
女性の社会進出は世界的な流れであり、そのこと自体は否定されるべきものではありません。現実に日本でも様々な事情によって働く女性は増え、純粋な意味での専業主婦は減少の一途をたどっていることは事実です。
ただ、流れに対応するだけの「働き方改革」では犠牲になるのは女性と、そしてもっとも深刻な影響を受けるのは子どもではないかと思います。
国は幼児教育の無償化を飛び越えて、保育料を無償化する方針のようですが、保育料の無償化と幼児教育の無償化は質的に大きく異なります。
幼児教育の無償化(多くの場合無償化される時間を区切っています)は先進諸国ではすでに実施されているところも多く、その効果についても確認されているようです。
でも日本のように11時間を超える開園時間に対して、そのすべてを無償化しようとしている国は多分ありません。
ただほど有り難いものはないようにも思えますが、「保育」を無償化すると、ただでさえ世界にを類例を見ないほど長時間の保育が助長され、ひいては長時間労働が固定化され、結果として少子化が助長される危険性があります。
本来は少子化の抑制と幼児期の質の高い教育によって国民の質を高めることが目的であったはずの「無償化」が真逆の結果を生むのではないか。
無償化されると「保育」の需要は更に高まることが予想されますが、幼稚園も保育園もただでさえ人手不足にあえいでいます。その中で「保育の無償化(11時間の無償化)」が行われれば更に人手不足は深刻化して、次に予想されるのは資格がなくても保育を行えるようにしようという動きではないかと思います。
これは保育が単なる「子守」と同じになるということでもあります。国家財政が逼迫する中で他の施策を犠牲にしてまで行うべきことなのか大いに疑問があります。
4月号の「たかつきDAYS」によれば高槻市では平成30年度より国に先駆けて5歳児の「幼児教育無償化」を行うようです。先に述べたように「保育の無償化」と「幼児教育の無償化」は同じものではありません。具体的には大阪市で実施している施策に近いものになるのではないかと思います。
これについては大歓迎です。「幼児教育の無償化」が「保育の無償化」にすり替わらなければの話ですが。
3月28日に今年度いっぱいで退職される3名の先生たちを囲んで送別会を行いました。年長さんの卒園といい先生の退職といい、寂しいことではありますが、新しい人生への門出でもあります。皆さん結婚されますがいつまでもお幸せに。