2019-11-22 (Fri)
11:00
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幼児教育保育の無償化は所々に混乱を見せながらも表向きは平穏に進行しています。
ところがここにきて気になるニュースがあります。
無償化の財源が数百億円規模で不足するようなのです。幼児教育だけではなく、保育も無償化するという世界的にも先進的な取り組みでその志や方向性は間違ってはいないと思いますが、不足分を赤字国債でまかなうのでは放漫財政のつけを後代にまわすだけです。
かといって始まったものを今さら止めるわけにもいきません。だだでさえ赤字大国といわれる日本ですが、このまま赤字が増え続けて返せなくなったらどうするんだろう。そういった心配も頭をよぎります。
幼児教育の無償化は世界的な傾向で先進国の中では日本は遅れている方でしたのでそれは間違ってはいないのでしょう。
問題はそれを保育にまで広げてしまったことです。もちろん財源があれば何の問題もありません。
今年度はそれでも全額国が面倒をみることになっていますので何とかなるでしょう。問題は来年度以降です。来年度からは都道府県と市町村がそれぞれ4分の1ずつを負担することになります。北摂地域や大阪市などの財政規模の大きいところはなんとかなるでしょうが、財政規模の小さいところはどうなるのでしょうか?
これについては日本総研主任研究員池本美香氏のレポートが参考になると思います。
「無償化の一般的な問題としては、第1に、新たな利用希望や長時間保育が増え、待機児童問題、保
育士不足、保育の質の低下などが一層深刻化することがある。第2に、「幼児教育の無償化」と言い
ながら、実質的には金銭的負担の有無ばかりが論点となり、無償化によって質の高い幼児教育が受け
られるようになるという展望が見えないことである。…」
念のために申し上げますが無償化に反対しているわけではありません。拙速ではないかと危惧しているだけです。
現大阪府知事の吉村洋文氏が大阪市長時代に行った幼児教育の無償化が一番順当であると思うのですがいかがでしょう?
幼児保育まで無償化した結果、意図に反して少子化が進行してしまった韓国のような例もあります。
ミツバツツジが花を咲かせながら紅葉しています。不思議です。
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