2019-12-04 (Wed)
09:33
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1939年、ソ連は独ソ不可条約に基づく秘密協定によってフィンランド政府に対して軍事基地の設置とソ連軍の駐留を迫りました。この無茶な要求に対してフィンランドは拒否することを決断しました。
しかしながら彼我の軍事力の差は明らか。アリが巨象に立ち向かうようなものです。この絶望的な戦いに女性も老人も志願兵として戦い、そして命を落としました。
世に言う「冬戦争」です。
「アメリカが助けにきてくれるさ。」「イギリスが助けに来るそうだ。」楽観的な情報が飛び交いますがどの国も助けになんか来てくれません。
しかしこの戦争で弱小フィンランド軍は意外な善戦を見せます。この様子はフィンランド映画「ウインター・ウオー」に描かれています。
ソ連軍はフィンランド軍に対しその8倍の人員を失っていますが多勢に無勢であることには変わりありません。ついにフィンランドは心ならずもナチスドイツと同盟を結ぶことになります。経緯がどうであれ枢軸国の一員であるフィンランドをソ連は大義名分を得て攻撃しますが、領土を割譲させたものの独立を脅かすには至りませんでした。激しい抵抗があったればこそです。
しかしこの戦争でフィンランドは小国の悲哀を痛いほどに味わうことになりました。弱小国家が大国のはざまで生き残るには一人一人のパフォーマンスを上げるしかない。そのためには教育しかない。こうして教育はフィンランドの国是になりました。
翻って日本は国際的にみて公的な教育投資が少ない国です。やっと幼児教育の無償化が実現しましたが、保育の無償化と抱き合わせで先進諸国からはクレイジーといわれる超長時間保育は放置されたままです。
小手先の英語教育とかプログラミン教育ではなく根本的なものを解決しないと、日本人の学力は低下する一方なのではないでしょうか。
↻2019-12-04