2020-02-05 (Wed)
12:30
✎
中国の長い歴史の中でも名君が現れて国が良くおさまった時期は次の4つしかないといわれています。
一つは漢の文帝とその子景帝の治世。文景の治と言われます。次には唐の2代目の皇帝、太宗李世民の治世。貞観の治と言われます。3番目は唐の玄宗皇帝の治世の前半。開元の治と言われます。4番目は清の康熙帝の治世。
これに中国唯一の女性皇帝である武則天を加えるべきだという説もあります。事績から考えればもっともですが、男性中心のかつての世界ではすこぶる評判の悪い人でもあります。
どの皇帝も税を減じながら国富を増やすという離れ業をやってのけた皇帝たちです。
さてその中の太宗と側近たちの言行を記した「貞観政要」が今ブームです。今に限らずしばらく前から静かにブームではありました。世の中が不安定で不確かになると過去の事跡を参考にしたくなるからでしょう。
ある時、太宗が側近たちに創業すなわち事業を立ち上げることと、守分すなわちその事業を上手くいくように維持することはどちらが難しいかと問います。
創業期からの臣下たちは困難に立ち向かいそれを打ち破ってきた創業の難しさを主張しますが、後に臣下に加わった者たちは権力は慢心するとすぐに腐敗する、そうならないようにする守文の難しさを主張します。
太宗は「草創期からの臣下は自分と苦難を分かち死地を潜り抜けてきたから創業が難しいと主張するのだろう。その苦労は自分が一番よく知っている。だが今はみんなのおかげで創業期は過ぎた。これからはみんな力を合わせて守文の困難に立ち向かっていこうではないか。」
「うまいことを言うなあ」とは思いますが、この創業から守文への転換が一番難しい。日本という国はその転換がうまくいっているとは言えませんが、それは企業も我々のような幼稚園の経営でも同じです。いけいけドンドンではなくて一度立ち止まらなくてはいけないところで立ち止まれない。
先行きが見通せず、不確実性が高まっている世界でどのように守文を図れば良いかがわからない。
小学校の採用テストの倍率がとうとう3倍を切りました。一見倍率があるように見えますが、教育関係では3倍をきるとないのと同じといわれてきました。学校にまつわるブラックイメージを払拭できないのが原因です。
幼稚園とて同じです。大学や短大を卒業しようとする年代が教育、特に幼児教育(保育も同じです)を志さなくなっています。ブラックイメージが定着して、そうでないところまでそのように扱われるからです。
様々な業界が人手不足ですがとりわけ幼稚園や保育園、認定こども園の求人倍率は3倍を超えています。1人を3つの事業所が取り合っているのが現状です。大阪などはもっと高いと思われます。
人手不足、人手不足と言われながら一般の企業は求人倍率は1.5倍です。いかに深刻かがお分かりいただけると思います。
困難な時代ですが、幼稚園の教育の質を維持するためにご協力いただけたらありがたいです。
なお参考までにわが園はそこまで困っているわけではありません。ただわが園に限らず先は見通せない、それは事実です。
暖かい暖かいと思っていました。梅がほぼ満開です。いつもよりもずっとはやい梅の見頃です。この分で行くと3月に入ったら桜が咲いているのではないか。もしかしたら満開の桜のもとで卒園式かもしれない。
暖かいのはありがたいけど何か恐い…!
↻2020-02-05