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2020-08-21 (Fri) 17:13

女性の就業率

 かつて日本では結婚を機に退職し、子育てが一段落してから再び就業(主にパートタイマー)するいわゆるM字カーブといわれる現象がありました。欧米ではあまり見られなかった現象のため日本女性の就業のあり方の後進性を表す指標にもなりました。
 ところがその後急速に女性の社会進出が進み、結果として深刻な保育所不足に陥りました。その対策として雨後の筍のように保育所が次々に開設され、今度は先生が足りなくなったというのが今の状況です。
 今もその頃の印象が鮮明なために日本は女性の就業が遅れていると思っている方が少なくないと思いますが意外なことに現在の日本の女性の就業率は70パーセントを超え、長期にわたってだらだらと下がり続けているアメリカ合衆国を逆転して世界で13位です。M字カーブもほとんど見られなくなりました。
 上位にはアイスランドを筆頭にスウェーデン、ノルウェー、デンマークなどの北欧諸国、ワークシェアリングが進んでいるオランダなどが並びますが、意外なことに北欧にありながらフィンランドは日本よりも低い数値を示しています。だからフィンランドは学力が高いんだと取れなくもない状況です。
 パートタイマーの比率が高い。女性管理職の比率が低いなどの問題点はまだまだありますが、数字で見る限りは女性の就業率が低い国ではありません。
 実にわが国の女性はワンオペ育児をしながら仕事にも出るというスーパーウーマンのような活躍をしていますが長時間保育、園庭のない保育施設など、子どもの育つ環境としては決して褒められたものではありません。
 移民に頼らずに労働力を確保するためには女性に働いてもらうしかない。これはこれで女性を軽く見た話ではありますが、そのしわ寄せは子どもに向かっているのではないかというのが今の印象です。
 教育の成果は10年20年、あるいはそれ以上たたないとわからないので政治のマターとしてはないがしろにされがちですが、女性の就労支援に力を入れすぎると今度は子育てがないがしろにされてしまう、そのような危惧を抱いています。

2020-08-21

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