幼稚園を選んだ理由
「子どもが楽しそうだったから」
最も多いのはこの答えだと思います。どの幼稚園でも、中には私たちの目から見てとても楽しい保育を行っているとは思えない園もこの答えがトップにくるので本当は別の理由があるのかもしれませんが。
子どもたちは楽しむことの天才です。我が身を大人に保護してもらうための生物学上の戦略なのかもしれませんが、一日の大半は笑っています。
言い古されてきたことなので今更の話ですが幼児は楽しい活動からしか学ぶことはできません。大人のように見通しをもって今の利益(楽しみ)を先送りすることができないからです。ただし、マシュマロテストの例のように4歳児の時点で欲望をコントロールすることができる子はそうでない子よりも人生において成功する確率が高いことも知られています。
子どもが「楽しいな」と思っている間に、あるいはそのことで知らず知らず自己コントロールの能力を育むのが幼稚園だと思います。決してお世話をしているわけではありません。(お世話をしていないわけでもありませんがそれがメインではありません。)
幼稚園の先生は思われているよりもすごいことをしています。こういうことを言うと余計に幼稚園の先生のなり手が減るかもしれませんが、あえて言います。幼稚園の先生は頑張ってるんです。
大阪市の小学校教員採用試験倍率が危険水域の3倍を割り込んでいます。幼稚園なんかは教員の需要が供給を上回っていますので偉そうなことは言えませんが、もと公立高校の教員として言わせていただければ3倍の倍率はないのと同じです。
学校が働く人にとってやりがいのあるものでなければならない。使い捨ての労働力ではなくてゆとりをもって働けるところでなければならない。そうでなければ質の低下は避けることができない…と思います。