2021-10-03 (Sun)
07:37
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昨日10月2日(土)に入園検定を行いました。ドタキャンも無断欠席もなかったのでスムーズな運営ができました。ありがとうございました。
新入園の保護者様と幼児の会話を拾ってみました。
お母さん「幼稚園いいね!」
子ども「ママも行きたい?」
それはきっと先生が困ります。
お母さん「ママも行きたいけどいけないのよ。ママの分も幼稚園で楽しんできて。そして幼稚園で何があったか教えて。」
子ども「ママかわいそう!」
となれば理想です。子どもの言葉はしばしば予想外で飽きることがありません。
少子化で幼児数が急激に減少する中で多くの幼稚園で定員割れは今時普通のことですが、今年はとりわけ深刻なようです。
当園も例外ではなく、昨年よりも提出願書数が少なくなりました。ただ幸い微減にとどまったことが救いです。願書販売数から優先枠を引いて、一般枠の願書提出率を55パーセントと想定しましたが、ぴったりその数字だったので我ながら分析力の鋭さに感嘆しました。
少子化による入園園児数の急減はすでにおきています。それは幼稚園だけの問題ではないと思います。人口の崖とも表現されますが、少子化対策は喫緊の課題です。従来の女性の就労支援とも少子化対策とも、どっちつかずの対策では明らかに不十分です。
よくヨーロッパを例に出して、女性の就労と出生率は無関係だという識者がいますが、例えば北欧の午後4時を過ぎれば保育施設に(先生を含めて)誰も残っていない環境と、日本のように長時間の預かりを行政が指導している状況では明らかに異なります。アメリカはうまくいっているとは言い難い状況にあります。
それに日本の女性の就業率は不況により収入減を原因としてヨーロッパと比較しても同水準か、フィンランドなどに比べればむしろ高いくらいです。
アメリカはかつては世界一の女性就業率を誇っていましたが教育保育環境の悪化を背景としてじりじりと下がり続け、今は日本よりも低い水準です。
女性の就業が悪いわけでは決してありません。むしろ私は女性は働いた方が社会のためにも女性自身のためにも良いと考えますが、働かせ方があるだろうと思います。女性だけに無理をさせる社会で子どもが増えるはずはありません。少子化対策に特化した制度、支援策が絶対に必要だと思います。
当園は行政が推奨する11時間を行っておりません。その意味ではサービス満点の幼稚園ではありません。それでも園児が比較的集まっている方だと自負しています。11時間開園をすればもう少し園児は集まるのかもしれませんが、そんな環境は園児のために決してよろしくないと思いますので行っていません。今のところは私の考えが間違っているとは微塵も思っていません。
保育園の急激な増加に伴って深刻な保育士不足、そのあおりを受けて幼稚園教諭不足が進行していましたが、急激な少子化に伴って需給のバランスが逆転して、今度は保育士余り、幼稚園教諭余りになるかもしれません。
その時に、かつて当たり前のように行われていた午後8時9時頃までの長時間残業が復活しないように気を付けなければならないと思っています。
そのためには保護者様の協力と行政の支援が不可欠です。幼稚園や保育園にお金がないからそうなるのですから。待遇が良ければ人は確実に集まります。そうしたくてもできない状況が幼稚園にも保育園にもあります。
↻2021-10-05